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RDC KENYAとは

2018年6月21日

2018年6月19日、Running Development Camp KENYA(通称:RDC KENYA)の設立を発表した。
本プロジェクトの概要は、ケニア選手の衣食住のサポートからトレーニングサポート、そしてマネジメントサポートを行い、ケニア選手の競技をサポートするといったものだ。
何故このプロジェクトを始めようと思ったか。
それは、前回のケニア合宿(2018年1月〜3月)に遡る。

アスリートとして競技を行う上での不十分な環境の中で、彼らは日々切磋琢磨していた光景を目の当たりにした。
「ハングリー精神」
この言葉はスポーツ界において響きはカッコ良いかもしれないが、その現状はあまりにも過酷である。平均月収が20,000円ほどであるケニアでは、常に貧困の問題を抱えている。家族や親戚で支え合い、友と支え合う。食事もタンパク質はろくに摂取できずに、炭水化物でお腹を膨らませる。不十分な栄養しか取れない中、ランナーは競技に取り組む。自分の活躍によって周りの人を支えるために。
正直、この境遇は日本人がいくら「ハングリー精神」を口にしても軽く聞こえてしまう。それほどの状況である。

そんな中、私はケニアでたくさんの人と出会った。ランナーだけでなくその家族や友達、小さな子供達。アジア人の中でも日本人は珍しいのであろう。日本の天気や食べ物のことをよく聞いてくる。率直にお金が欲しいとお願いしてくる人もいる。日本では嫌悪感を覚えるかもしれないが、ケニアでは仕方ないのかもしれない。

また、私がアスリートの視点からこの問題を見た時に、ケニアには私よりも速い選手は沢山いる。しかし、その選手達が生活することに苦労している。
これは人種の問題もあるかもしれないが、アスリートは結果に応じて平等に評価されるべきだと考えている。
私は、将来性があり環境を整えることができれば、大きく活躍できる可能性のある選手を現地でこの目で沢山見た。しかし、本人達はそういったチャンスや可能性に満ち溢れていることに気づいていない。それらを「ケニアで生まれたから仕方ない」と思ってほしくない。

冒頭で本プロジェクトの概要は「ケニア選手の競技をサポートする」と説明した。しかし実は、ケニア選手の競技サポートをするということは、その周りの家族や親戚・友をサポートすることにも繋がる。それによって、ケニアでより多くの人が充実した生活を送ることができたり、笑顔が増える。そう願って本プロジェクトを始めることを決意した。

生まれた時に運命は決まっている。確かにそうなのかもしれない。しかし、その運命を良い方向に変えることができるのであれば、それは損得勘定など無しにやるべきではないだろうか。

「自分の競技はどうしたんだ」「ビジネスを始めたのか」
そういった声があるのも事実だろう。私はこの地に競技者として強くなるために来た。もちろん今後も自身の競技力向上のためにトレーニングを行う。
しかし、それとは別の次元で大事なことがあるのではないかと思う。これはビジネスとかそういった概念ではない。
私がサポートできる人数は限られているかもしれない。しかし、私のこの目で見える範囲の人だけでも、少しでも良いからサポートしたい。ただそれだけである。

RDC KENYAオフィシャルサイト